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2021-05-25 12:45
(連載2)ワクチン接種への自衛隊動員に問題あり
桜井 宏之
軍事問題研究会代表
更に現在接種のための特設会場を設けている71自治体のうち約3割に当たる19市で医師が十分に確保できていないと報じられています(5月23日付『読売』第14版第1面)。自衛隊で自己完結できない大規模接種センターを、医師が充足しているとされる東京(上記報道)に設置するくらいなら、既に特設会場を設けている自治体に不足している医師を自衛隊から派遣した方が効率的ではないでしょうか。
報道によると今回の自衛隊の動員は、官邸のトップダウンで進められたようです(5月24日付『読売』第14版第1面)。おそらく官邸と防衛省の調整が十分行われないうちに、官邸が目標とする7月末接種完了を焦る余りに先走ったのが真相でないかと思われます。
実は同様なことは過去においてもありました。東日本大震災では、官邸が防衛省と調整を進める前に、10万人派遣を先に発表したことで、自衛隊は震災対応と通常任務の両立に苦しめられたことが、陸自部内資料「東日本大震災災害派遣教訓要報」(研本教第17号電(23.10.24)別冊)の中で「暴露」されています。
運営面でも心配があります。大規模接種センターの予約で、架空の接種券番号を使っても予約が可能になっていることも明らかになっています(これも専門ではないシステム運営を自衛隊に押しつけた結果と言えます)。これが可能であるということは、誤って接種券番号を入力しても予約が完了してしまうことを意味します。誤入力した予約者が、接種会場での本人確認で配布された接種券の番号と異なることで接種を拒否されるという事態が懸念されます。誤入力で大規模接種会場での予約ができたことで、自治体での予約をキャンセルするような事例が増えれば、かえって接種が滞ることになりかねません。(おわり)
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(連載1)ワクチン接種への自衛隊動員に問題あり
桜井 宏之 2021-05-24 09:51
(連載2)ワクチン接種への自衛隊動員に問題あり
桜井 宏之 2021-05-25 12:45
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