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2021-09-08 06:42
(連載2)菅首相退任を機に「首相公選制」を検討する
加藤 成一
外交評論家(元弁護士)
今回の菅首相の突然の退陣表明に対し諸外国政府はいずれも驚きを持って受け止め、早くも、米国政権内では今後における日本の政治が首相の頻繁な交代で不安定化する状態に逆戻りするのを警戒する声が出ている始末である(9月4日付け「産経新聞」参照)。頻繁な首相の交代は国際的にも国内的にもマイナスであり国益を害することは明らかである。
時の政権が、安定的で強力な政権基盤を確立し、国内外の重要課題に積極果敢に対応するためには、適切な時期に国政選挙により国民の審判を受けることが必要不可欠であるが、それ以上に重要なことは、首相の選任が直接全国民によって行われることである。即ち、全国民が直接首相を選ぶ「首相公選制」は、任期が保障され、政権基盤が安定強化され、国益の増進に極めて有益である。筆者は平成4年に「首相公選制」を目玉政策とした政党から参議院選挙に出馬した経験もあり、この政策には多少明るいのでいくつか要点を説明したい。
具体的には、(1)首相が全国民から直接選ばれるため、政権の「正統性」が担保され、直接全国民の信任を受けた強力な政権運営が可能になる。(2)任期が保障されると安定的長期的な政権運営が可能になる。(3)全国民の政治意識、責任感、政治的関心が格段に向上するから、常に国民に目を向けた真に国民本位の政治が可能になる。(4)直接全国民から選ばれた国会議員たる首相を国会が指名し天皇が任命すれば憲法改正の必要性がない(憲法6条1項、67条1項参照)などの大きな利点がある。
以上の通り、「首相公選制」は、国益の増進と国民本位の安定した強力な政権運営のために極めて有益であり重要である。したがって、今後の日本の国力強化と国民生活の向上発展のためには、早急に全国民的課題として、その導入を検討すべきである。短命政権で終わった今回の菅退陣を教訓とするならば、日本国のためには本格的な「首相公選制」の導入が必要であると考えるものである。(おわり)
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加藤 成一 2021-09-07 21:22
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加藤 成一 2021-09-08 06:42
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