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2022-10-03 10:54
ウクライナ大統領最大の使命は国民の命を守ること
宮本 徹
自営業
ロシアによるウクライナ侵攻について、ゼレンスキーとプーチンどちらの大統領が悪いのかということであれば、確かにプーチンが絶対的に悪いです。しかし、原則論を振りかざして停戦を真剣に検討しないゼレンスキーの強硬さには本当にがっかりしました。やはり、芸能人出身で政治のプロではないということです。一国の大統領として一番大事にすべきなのは、自国民ひとりひとりがもつ一つしかない命です。大規模な戦争が長期化すると軍の総司令官として指揮をとるゼレンスキー大統領には人命の重さが感じられにくくなるのでしょうが、戦争で死んだ人は二度と生き返ることは出来ません。
大統領は、まず国民の命を守ることが一番大事です。プーチンが侵攻する前に、ロシアは数多くのシグナルをウクライナに送っていました。いくらでも交渉して、侵攻を予防することができたはずです。ゼレンスキー政権が強硬な原則論に固執せず、プーチンの抱えるゼレンスキー政権への疑念を解くことに積極的に取り組んでいれば、こんなに多くの人が死ぬことは無かったのです。侵略したほうが悪いと全部プーチンのせいにして、国を守るという大義名分のもとに、非常に多くの一つしかない人命を無くさせました。これについては、余りにも政治を知らないゼレンスキーの責任でもあります。政治は綺麗事ではありません。現実の脅威から国民の命を守るために、絶対的な悪に対して時に妥協をすべき論点もあったはずです。そういう意味で、ロシアと西側との間で完全にバランスを崩すスタンスを取ったゼレンスキーが生み出した戦禍という側面もあるともいえるでしょう。
ゼレンスキーは前線で戦うべきです。いかに命が大事か分かります。自分の家族が死んら国のために死んだから平気でいられるのか。今、ヨーロッパがウクライナを助けているのはロシアとの代理戦争の面が非常に強く、ロシアの力を削ぎたいNATOのためにウクライナの多くの大事な国民の命が失われている面もあります。政治として、中立を守り西側諸国ともロシアとも、うまくやる方法がありました。その内、プーチンに代わり別の大統領のもとでクリミアを戻すチャンスもあるのです。今回の戦争は、むしろゼレンスキー政権を守るための戦争です。これが親露派政権か中立政権だったら今回の戦争は回避できていたでしょうし、こんなに多くの人が死ぬことはなかったのです。
何故、多くの専門の学者、政治家、コメンテーター、マスコミがそれを指摘しないのか、ゼレンスキー政権への批判をタブー視していることには失望しました。とくに専門の学者については、こんな人達が世論を動かそうとしていることに危惧します。兎に角、ゼレンスキーにはもっと政治を勉強して、もうこれ以上国民の一つしかない命を守ることを第一にしなくてはなりません。それこそがウクライナ大統領の第一の使命であり、決してゼレンスキー政権を守るために国民を犠牲にするようでは絶対にいけません。政権などより国民の命のほうが、はるかに大事です。
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投稿履歴
(連載1)「ウクライナは政治的妥協をすべし」への違和感
松川 るい 2022-04-05 16:30
(連載2)「ウクライナは政治的妥協をすべし」への違和感
松川 るい 2022-04-06 20:05
ウクライナ大統領最大の使命は国民の命を守ること
宮本 徹 2022-10-03 10:54
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