今次中間選挙における民主党の敗北の決定的な要因は、オバマ大統領を誕生させた無党派層が、今回の中間選挙で共和党候補に投票したことにある。さらにオバマ陣営を支えた若者層が、政権発足後、急速にオバマ離れをした。どうしてオバマ大統領は最大の支持層を失ったのか。リベラル派などオバマ大統領を支持したグループは、「オバマ大統領があまりにもやらなかった(do too little)」と考えて反発したのに対して、保守派の人々は「オバマ大統領はやり過ぎた(do too much)」ことを理由に批判の矛先を向けたのである。
現在、アメリカでは、“リベラル”という言葉は悪い意味で使われることが多く、”big government, big spender”を連想する言葉になっている。ティー・パーティ運動は、オバマ政権にそうしたイメージを与えることに成功したのである。ただ、同運動が支持した候補者が全員当選したわけではない。たとえば、同運動が最大の敵と位置づけていたネバダ州の現職のリード民主党上院院内総務は、ティー・パーティ運動の候補者を破って、再選を果たしている。(つづく)