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2007-01-03 12:07
「核議論」、今が好機
小松一也
会社員
日本にとって目下最大の安全保障上の懸念である北朝鮮の核兵器開発問題だが、新しい年に入り、どのような展開を見せるのだろうか。北朝鮮の核実験を契機として一躍脚光を浴びた「日本核武装論」だが、この「百花斉放」でもさまざまなご意見を読ませていただいた。その中で、「『核議論』というのは、タブー視せずに、一度侃々諤々やっておく必要があるのではないかと思います」という織田邦男氏のご意見に賛成だ。
核保有賛成・反対の如何を問わず、核議論は日本の安全保障戦略上の政策的有効性の観点から徹底的に議論されるべきだ。核をタブー視して当たり障りのない論議を少し行うという程度で終わりにするのではなく、あらゆる可能性・データを示し、賛否双方の立場を徹底的に論議すべきである。昨年11月に行われた毎日新聞の世論調査によれば、国民の78%が日本の核保有には反対しているが、同時に国民の61%は「核保有には反対だが、議論はしてもよい」と回答している。これは、国内に「核アレルギー」によりすべてをシャットダウンするのではなく、現在の政策を評価した上で、より現実的なオルタナティブを模索する動きが出てきたといっていいのではないか。北朝鮮の核の脅威に過剰反応することなく、冷静な議論ができる土壌は整ってきている。
また、日本が核保有するか否かを決めるのは当然ながら日本国民だが、日本の決定は他国にも大きな影響を与える。核に関する論議は他国を交えて行うという視点も必要だろう。まず国内できちんと議論する必要があるが、次のステップとして、米国、中国、韓国はもちろん、他のアジア諸国なども交え、さまざまな意見を聞くべきだ。「日本などどうなってもよい」という意見なら「そういうことか」ということになるし、「日本を含め、地域あるいは世界の平和を一緒に考えよう」というのなら、それを無視してよいはずはない。それにより国内での議論に厚みが加わることになる。幸い、織田氏の言うように今はまだ「平時」である。この先北朝鮮情勢がどのような動きを見せるかわからないが、今のうちに「冷静に、恐れずに」核議論を始めるべきである。
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投稿履歴
日本核武装論の死角/日本は核武装したくてもできない仕組みになっている
吉田康彦 2006-11-11 10:53
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非核3原則、+1か-1か?
角田勝彦 2006-11-13 18:58
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議論をする前に諸問題点への明確な回答を
吉田康彦 2006-11-27 11:04
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議論のすすめ
織田邦男 2006-11-27 15:43
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日本核武装論者よ、もっと説得力ある論理を展開せよ
吉田康彦 2006-12-08 10:30
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利害得失にもとづく議論を活発に
小笠原高雪 2006-11-27 22:30
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「核議論」、今が好機
小松一也 2007-01-03 12:07
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核保有の是非、大いに議論すべし
藤原 宣夫 2007-01-06 19:57
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日本の核武装はゴルディアスの結び目
四条秀雄 2007-01-06 15:45
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「核全面廃絶」は日本の「初夢」でしかない
岡本幸治 2007-01-09 15:35
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